RCT−1(ロッククライミングトレーニング No.1)

丹沢・モミソ沢出合懸垂岩
ジャンル
岩トレ
日 程 2005年6月26日(日)〔日帰り〕 メンバー Y/S(指導・記)、W林、KM谷、S村、K田、KS谷、E崎、A川、I井、Iヤン(計10名)
行 程

9:00〜14:00   RCT−1  〜15:30  モミソ沢下部遡行


蒸し暑い1日、大勢の沢屋さんが沢に向かうのを横目にみながらの岩トレでした。
今回のテーマは最低限の装備(数本のシュリンゲ、カラビナ、補助ロープ)のみによるクライミング技術の習得・再確認。大変実用的な内容が多く、勉強になりました(^。^)/
練習風景の写真を幾つか公開します!



■簡易チェストハーネスでの懸垂下降・・・「痛・痛いーーっ!」

 
■確保システムの講習              



■インラインエイトノット(縄バシゴに用いる)




■終了後、ビールで乾杯!お疲れ様でした〜(^^♪


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(以下、S/Y氏による当日の講習メモです。)


RCT_1でのプログラムは下記の通りで,精査が終了していないVer1.5のPDFファイルでよければ,S/Yまで,連絡をいただければ,送付します.

書いてみると,結構,技術的にもオチがあったようで,今後の資料,RCTの反省材料にします.

1.基本的な登攀スキル−補助ロープを主体としたスキル−
1.1 基本的な登攀スキルの位置づけ
1.2 必要なギア
(1)スリング
(2)カラビナ
(3)補助ロープ
1.3 ロープの結び方
(1)エイトノット
(2)オーバーハンド・ノット
1.4 簡易チェストハーネス
1.5 支点の取り方
(1)支点の取り方
(2)支点の種類
(3) シートベンド結び
(4) プルージック結び
1.6 懸垂下降
(1)懸垂下降の手順と動作
(2)ムンター・ヒッチ
(3)懸垂下降の場合のムンタ−・ヒッチの形
(4)安全確認
(5)ムンター・ヒッチで下降中の仮固定・・・ミュール・ノット
1.7固定ロープ
(1)トラバース
(2)緩斜面の登高・・・バックマン・ノット
(3)急斜面
・コブを作って垂らす・・・オーバーハンド・ノット
・縄バシゴを垂らす・・・インラインフィギュアエイト・ノット
1.8 確保による登高
(1)リーダーの登高(確保システムの作り方)
(2)フォロアーの登高
(3)確保者の動作
(4)確保者の手の動き
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多少,目的やら当日行った内容を付記しておきます.

1.目標
・シンプル,かつ,軽量な装備(1kg以下)で安全に岩稜を通過する技術の取得
・基本的なロープ使用方法の取得

2.使用ギア
(1)テープスリング120cmぐらい1本
   スリング(ロープかテープ)2〜3本
(2)安全環付きカラビナ(変形D型)1枚
   カナビナ 3から4枚
(3)補助ロープ(6から8m直径)10mくらい
〔あとあれば,3mm直径細引き10mくらい〕

3.スキル取得の意味
(1)縦走中の岩稜・簡単な沢に対処できるスキルがあれば,自分自身,あるいは,パーティ内の同行者も,安全に通過が可能である.
(2)近年のクライミング用道具はよくできており,多少「ヘンな」ことをしても,そこそこ結果論として安全が保障される.しかしながら,単純な道具で同じようなことをしようとすると,一つ一つの技術や動作,あるいは,システムの流れが大事ということを改めて考えさせられる.
(3)最も大事なことは自分自身がセット使用するロープを自分自信が完全に信頼がおけるようにすることである.そのために何が重要で,何を自分が自信をもって行え,そのためには,何を知っておくかをその人なりに答を持つことである.(得られたその答をあえて他人に言う必要はない.他の人はその人なりの考え方を持っており,批評家になっても仕方ない.)

4.ロープの結束
・エイトノットが基本である.この結び方は,たとえば,簡易チェストハーネスとロープとの結合,あるいは,立ち木・岩などに固定ロープを設定する場合に使う.
・エイトノットで直接ロープを立ち木等に固定ロープとしてセットする場合は,立ち木等にロープを2回巻けばロープの動きが少なくなる.
・結び目から余長分はロープ直径の10倍ぐらいを目途とする.この場合,結び目をよく締めておけば,末端処理は不要.末端処理をする場合は,エイトノットの結び目にくっつけること.エイトノットの結び目と末端処理が離れていると意味がない.なお,エイトノットは直径がほぼ等しい2本のロープの結束にも安全に使える.
・オーバーハンドノットは通常の結び方.今回では,「ゴボウ」登りの補助の「節」をつくるのに用いた.

5.スリングの使い方
・立ち木,岩に巻き,締めるように使用するのが原則である.
・スリングの長さが足りない.つまり,スリング2本の結束が必要な場合はシートベントを使う.シートベントでは,長さを調節することも可能.なお,シートベントでは,スリングの結び目がシートベントの結びの外に来るようにつくる方がスッポ抜けに強くなる.
・細い樹木を束ねる場合はプルージックを使う.固定が強くなり,スリングのスッポ抜けを防ぐことが可能.

6.簡易チェストハーネス
120cmくらいテープスリングを使う.やや,柔らかめで,幅20mmぐらいあればよい.結び目は,胴体(胸部)のセンターに来るようにつくると,按配がよい.

7.懸垂下降
今回のような場合は,立ち木,もしくは,岩峰から支点セットをするのが望ましいが,今回はロケーションの関係からリングボルト+ハーケンを用いた.

(1)ムンターヒッチでメインロープを簡易チェストハーネス(簡易CHと略)に付けた安全環付きカナビナにセットする.
(2)懸垂下降の姿勢に入ると,メインロープが安全環付きカラビナの長軸から出るようにセットする.
(3)途中の停止,仮固定にはミュール・ノットを使う.ムンターヒッチはカラビナとロープのクロス点を抑えることによって停止できる.この状態で仮固定のためにはミュール・ノットを行う.ミュールノットの解除は,結び目の環をできるだけゆっくりと小さくし,後は一気にすばやく引き抜く.この方が,落下距離は少なくてすむ.
(4)懸垂下降時には,簡易CHでは,安全環付きカラビナのメインロープのフリクション部分が身体から離れるために,両手で,安全環付きカラビナの下の部分を持つほうが下降しやすい.
(5)下降者が不安な場合は,下側で,下降ロープを張れば,下降者は止まる.この要領で下降者の速度調節も可能ではあるが,操作には「慣れ」が必要.
(6)回収は一般にはロープを中心から2つにし,2重にして行えば,降りた時点で片方を引けばよい.そうでない場合は,最後の人は,ロープをはずし,クライムダウンする.ただし,長い距離を下降したい場合は,カラビナにロープ先端につくったエイト・ノットをセットし,ロープを支点にまわし,さらにカラビナを通して,懸垂下降用にロープとしてセットする.この際,カラビナにφ3mm,長さを懸垂下降するロープと同程度の細引きを掛け,懸垂下降時に一緒に引っ張って降りる.下で細引きを引けば,カラビナ,ロープの回収が可能である.

8.固定ロープによる移動

(1)トラバース
・ロープの開始点,終了点は,スリングの使い方を参考にして,固定ロープを張る.固定ロープは,張り気味にセットする.
・中間にスリングによる支点をとる場合は,ロープはエイトノット(あるいは,オーバーハンドノット)でカナビナを用いて固定する.
・移動に際し,固定ロープを使い,かつ,中間支点がある場合は,カナビナ2枚にスリングを通し,そのスリングを簡易CHにセットした安全環付きカラビナにセットする.2枚使うことにより,中間支点を越えるときに1枚を中間支点より先に送り,さらに,2枚目のカラビナを送ることにより,ビレイされてない状態をつくらないですむ.

(2)緩い斜面の登行
・固定されたロープに対してフリクションノットをつくり,そのフリクションノットと簡易CHの安全環付きカラビナを結ぶ.フリクションノットには以下の結び方がある.
・プルージック・ノット(一点拘束,結び目操作等のためあまり薦めてはいない. ただし,否定はしない.)
・バットマン・ノット
・マッシャー・ノット(オートブロック)
・クレムハイスト・ノット
基本的にはマッシャー結びを芯抜きスリング(つくり方はわたぐも掲示板:2005年06月11日 23:11送信者:ky 表題:プルージック用ロープテスト報告文字)で行うか,テープシュリンゲを用いたバットマン結びが適当と思われる.しかしながら,他の方法でもよい.
・登行の方法は,登ってフリクションノットと簡易CHとの間のスリングにたわみができれば,フリクションノットを上げ,スリングを張り,登るという動作の繰り返しである.スリップの場合は,フリクションノットでロープでビレイされる.

(3)急な斜面の登行
・2つの方法がある.比較的短い,もしくは,足場の確保が可能な場合,他の場合は,急な斜面が長く,足場等がない場合である.
・前者の場合は,補助ロープにオーバーハンドノットで結び目をつくって,固定ロープとしてセットする.登高,あるいは,下降の場合はこの結び目を手がかりとして移動する.・後者の場合はインラインフィギュアエイトノットを補助ロープにつくり,縄梯子として,利用する.
(余計なことだけど,僕のブログ(2005年6月22日 (水)フリークライマーの本)にあるフリークライミングの本の中ので紹介しているインラインエイトノットは間違っている.RCTの時にSMRが指摘したように,あれでは一方向に輪ができなく,縄梯子にできない.)

9.ロープ確保による登行
・固定ロープで対応するには困難な箇所,あるいは,グループ内のメンバより安全に通過させるには,もっとも適した方法である.

(1)先頭を行く人は,簡易CHにロープをエイトノットで安全環付きカラビナでセットする.後から登る人は,同様に,簡易カラビナに安全環付きカラビナでエイトノットでセットする.(先頭を行く人は,上手に,岩稜を登れたとする.)
(2)先頭の人は上に着くと,スリングで立ち木,もしくは,岩などに支点をつくりカラビナをセットする.このカラビナに,簡易CHに装着した安全環付きのカラビナからのロープにエイトノットをつくり,セットし,自己確保をおこなう.
(3)下の人を確保するための,あらたな支点をスリングとカラビナ(安全環付きが望ましい)でセットする.ロープを手繰り寄せ,下の人との余長をなくする.下の人とのロープの余長がなくなった時点で,ムンター・ヒッチで,確保のためにセットしたカラビナにロープをセットする.
(4)下の人が登るにつれ,ロープを手繰り寄せるが,ムンター・ヒッチの確保側(この場合だと,確保者につながっているロープ側)のロープが常に左右どちらかの手で,常に,確保されているようにしていることが重要である.
(5)なお,下の人がスリップ等を起こし,ロープを仮固定しなくてはならなくなった時は,懸垂下降時のミュール・ノットによる仮固定と同じ方法をとる.

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