北岳/南アルプス   

■日程:2006年6月24-25日 (前夜発1泊2日)
■ジャンル:夏山登山
■メンバー名:TR田、W辺(記)(計2名)
■行程:
23日 東京〜茅野〜伊那(戸台口)
24日 戸台口〜北沢峠〜広河原―二俣―大樺沢左俣―八本歯のコルー(トラバース) ー北岳山荘(幕営)
25日 北岳山荘―北岳山頂―肩ノ小屋―草すべりー白根御池小屋―広河原
   

■山行記録:


23日(金) 東京〜茅野〜伊那(戸台口)


金曜日夜予定より30分遅れの23時に待合わせの駅に集合し、TR田さんをピックアップ。
本来であればあとは高速を一路戸台口に向かうところだが、この日は車にガソリンがほとんど残っていないことに高速にのってから気がつき大慌てであった。
左斜線を2台連なって走る目障りなトラックに気を取られているうちに、談合坂SAを通り過ぎてしまい、燃料タンクの残量ゲージは限りなくゼロにちかくなりあせったが、なんとか双葉Pにたどりついて事なきを得た。ただし、ガスを満タンに入れたところ、残りが1g余りしかなかったことに気づき、改めて冷や汗がでた。
その後は順調。茅野から伊那へは、一般国道(152号線)を下り、仙流荘駐車場へは夜中の2時頃到着した。そのまま、駐車場横のバス運転手の更衣室を使わせてもらい、朝まで仮眠した。



24日(土)天気:快晴
戸台口〜北沢峠〜広河原―二俣―大樺沢左俣―八本歯のコルー(トラバース) ー北岳山荘(幕営) 



翌朝は朝7時過ぎに起床し、8時5分のバスで戸台口を出発した。峠までバスで約1時間、そこから広河原へはわずか20分ほどの道のりだが、バスの接続が悪いために広河原へは10時10分過ぎに到着した。バスを降りた人は20人足らずで、ハイシーズンの広河原とは全く別の場所みたいに静かだった。

まずは、野呂川越しに見える北岳を撮影し、吊橋を渡って入山した。30分ほどはは樹林の中の登山道なので比較的涼しかったが、分岐点を過ぎてからは、日差しをさえぎるものが少なくなり、暑さが増してくる。
天気予報では、週末の降水確率は高かったが、この日は青空が広がり、雨が落ちてくる気配は全くなかった。
沢を何回が横切り大樺沢雪渓に取り付いたのは、11時ころ。照り返しで酷くものすごく暑い雪渓を歩くこと約2時間で二俣に到着した。遥か上方の八本場のコルを目指して左俣を進みながら、時折発生するガスの向こうに見え隠れする雄大なバットレスがフォトジェニックなので何度となくカメラに収めた。バットレスには、下部だけでなく、中腹からかなり上の方にかけても雪が付いており、冬場の降雪の多さを実感した。
大樺沢の最後の急登は、できることならアイゼンが欲しいところだったが、今回は軽アイゼンも準備していなかったので、前を行くパーティのつけた跡をトレースしながら慎重に進んだ。それにしても、長い雪渓上りでばててしまい、TR田さんを随分待たせてしまい、ご迷惑をお掛けしました。
上部で雪渓を抜けて夏道に入ってからはだらだらとハシゴばかりが続くので、気分的には閉口したが、途中でイワカガミの小さな群落をみつけ、気分転換と撮影を兼ねて小休止した。
上に行けば永年あこがれていたキタダケソウに会えるとの思いで、さらに小一時間歩き、コルにでたところで、TR田さんがハクサンイチゲの群落を発見。ハイマツ間を縫うように広がる白い花が十分に疲れを癒してくれた。(疲れていたのは、自分だけか?)ハクサンイチゲの群落のはずれにはクロユリがまとまっている場所があり、開花間近のつぼみをたくさんつけていた。咲いていればいい写真とれたのにとちょっと悔しい気はしたが、また違う時期に登ってみようと次の登山の動機とした。
更に山頂を目指し30分足らずで、トラバース道との分岐にでた。北岳に4-5年続けて登っている知合いからキタダケソウを見たいのなら絶対下の方を通るようにいわれていたので、迷わず左へ進んだ。北岳自体が初めてなのでどんな場所に憧れの花が咲いているのか全く想像していなかったが、以外にもガレ場の岩の間に白く点々と花がさいており、一目でかなりの規模の群落であることが分かり、感激した。登山道を外れる訳にはいかないので、道の脇に生えている「美人」を探し夢中でシャッターをおした。
(失礼の無いように、コンパクトデジカメではなく、一眼レフで撮らせてもらいました。)
この日の撮影は、夕暮れが迫っていたので駆け足ではあったが、ハクサンイチゲよりもずっと清楚な花に疲れも吹っ飛び大満足であった。
道を更に下って北岳山荘についたのは18時半すぎ。
意外にも、周りにはテントは2-3張しかなく、とても静かなサイトだった。
自分達も直ぐにテントは張って、ビールで乾杯をした。
この一杯というか、最初の1本のうまい事!暑い中を一日歩いた甲斐があった。
あとは、夕食をすまし20時過ぎには就寝。
夜中は強烈な風が吹き、テントの外に置いていた空き缶がテント場の中をカラカラと転げ回る音に眼が覚めたが、遠くへ吹き飛ばされる気配がないので、拾いに行くのは止めた。
風と空き缶の音が気になってなかなか眠れなかったが、2時頃までには強風も収まり、また静かなテント場に戻った。
しかし、(後で分かったことだが)風が収まる頃には早い人は既に起きて出発の準備をしていたようだ。



25日(日)北岳山荘―北岳山頂―肩ノ小屋―草すべりー白根御池小屋―広河原


3時過ぎに起きて、朝食はコーヒーとパンで簡単に済ませた。
4時過ぎには東の空が綺麗な朝焼けに染まり、富士山も雲海の上にぽっかりと姿をあらわしているので、待てば「赤富士」になるかと期待したが、結局そのまま明るくなってしまった。
4時30分に北岳山荘を出発し、前日通ったトラバース道ではなく稜線を北岳の方向に登り返した。
ここにもあちこちにキタダケソウやハクサンイチゲの群落が広がり、頂上に近づくに連れ、オヤマノエンドウ、チョウノスケソウ、ミヤマシオガマ、ハハコヨモギなとも現れたので予期せぬ撮影会となった。頂上直下で後ろを振り返ると、間ノ岳を背景にした北岳山荘が小さく望め、こちらもなかなかの景色であった。
6時ころ北岳山頂に到着。我々に続いて一人到着したが、全部で3名の静かな山頂であった。
さすがに、本邦第二の高峰だけあって、周囲の眺望が素晴らしい。八ヶ岳、北アルプスなどが雲海の上に顔をだし、近くには甲斐駒、鳳凰三山、仙丈ケ岳、間ノ岳から農鳥岳などが綺麗に見えた。
頂上での30分ほど休んでから、肩ノ小屋方向へ下山した。
小屋から下は、残雪が残っており嫌らしい感じの部分はあったが、早朝ということもあり、気温がまだ低かったので快適な下山であった。途中の6−7名のパーティを追い越し、更に下って草すべりにルートをとった。草すべりへの分岐から先は自分たち以外には下っている人がいないので、とても静かだった。ナナカマドやダケカンバの新緑、雪解け斜面のショウジョウバカマ、コバイケイソウ(葉っぱだけ)、羊歯類、(個体数は少ないが)シナノキンバイ、サンカヨウ、満開のミネザクラなどをたっぷりと楽しみながらの下山となった。
9時前に白根御池小屋に到着。昨年立て替えたばかりの綺麗な小屋の前で一息ついた。
この頃からガスが沸いてきて、天気は少し下り坂になったが、下山まで大きく崩れることはなかった。
小屋から先は樹林の中を通る急な下りで、膝への負担が大きいため途中何度も小休止を取った。
10時頃には小雨が降り始めたが、幸いにも樹林の中だったので雨具を出す必要もなく、かえって涼しさだけがありがたかった。
広河原山荘に到着したのは11時過ぎ。山荘前のベンチに腰掛け、しばし休息。廻りにいた人(下山してきた人)は皆山
上で追い越したり、すれちがったりした人ばかりだった。
北沢峠行きのバスまでは1時間あるので、一本残っていたビールで乾杯、更にインスタントラーメンの昼食をとった。汗をたくさんかいたせいか少々塩っ辛いラーメンのスープがものすごく美味く感じられた。
12時20分広河原発のバスに乗って北沢峠に移動したところ、峠のバス停には前日朝の数倍の人が列をなしており、バス会社が用意している2台のバスでは到底納まらないことが心配された。我々は列の一番後ろの方だったので、ひょっとしたら次(2時間後)のバスに回されるのではないかと心配したが、待ち客のほとんどが団体客だったため、1台目のバスの席がきっちりと埋まらず、最後の2席を埋めるのに個人客を募った。
幸運にも、我々だけが二人組みだったので、列の最後尾であったにもかかわらず1台目のバスに首尾よく乗ることができた。
北沢峠から戸台口までは、バスの心地よい揺れにずっとうとうとしていた。
1時間ほどでバス停に到着。
その後は、バス停脇の風呂に入って汗を流し、夕方5時過ぎには、東京に戻り解散となった。
とにかく、予想外の好天とキタダケソウに恵まれた上、とても静かな山行で大満足であった。

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@ キタダケソウの群落




A キタダケソウ(アップ)




B 北岳山頂からみた間ノ岳




C オヤマノエンドウ、ハハコヨモギ、ミヤマシオガマ(北岳山頂付近)




D コバイケイソウ



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